上肢の痛みとしびれのメカニズム

手作業における過労(究極の原因)
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肩甲挙筋等の過緊張(作用原因)
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頚椎の関節フィクセ―ション(局在原因)
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中斜角筋、前斜角筋の緊張(局在原因)
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上肢の痛みとしびれ(結果)

肩甲挙筋は上部頸椎の横突起に付着し、後方に牽引する。その結果中斜角筋に緊張が生じ、下神経幹の橈骨神経に接し、また第3頚椎の横突起結節が後方に牽引されると、前斜角筋に緊張が生じる。正中神経と腋窩神経に接しているため、それぞれの神経に緊張が生じる。前斜角筋は尺骨神経にも触れている。
上肢のオーバーワークによって肩甲挙筋の過緊張を生み、その結果頸椎にフィクセ―ションを引き起こす。
頚椎のカイロ的な治療と過緊張を起こしている筋肉へのアプローチで上肢の痛みとしびれが取れることが多くの臨床で経験済みです。
手のしびれイーコール頸椎椎間板ヘルニアと考える人がほとんどですが、私は手のしびれが一番起きやすい状態は頸椎の関節障害と前側にある筋肉とりわけ前・中斜角筋の筋緊張と考えています。

「前・中斜角筋症候群」とは、中斜角筋の筋腹を貫通するか、あるいはその近傍を通過する神経が圧迫を受けて起こる症候群です。

  腕神経叢(腕に向かう神経が束になっている所)は第5,6,7,8頚神経根、第1胸神経根から構成され、神経根部で第5頚神経根から椎間孔を出たところで肩甲背神経(肩甲骨と背骨の間を通る神経、菱形筋、肩甲挙筋を支配)が分枝し、背側に向かい、中斜角筋筋腹を貫通して下降し、肩甲挙筋と菱形筋に分布しています。

  第5,6,7頚神経根からは、長胸神経(前鋸筋という肩甲骨と肋骨に付く筋を支配)が分枝し合流して背側に向かい、中斜角筋筋腹を貫通して下降し前鋸筋に分布する。5本の頚神経根は上記の分枝を出した後、3本の上中下神経幹になります。この上神経幹から肩甲上神経(肩甲骨の上側を走る神経、棘上筋、棘下筋を支配)が分枝し、その背後に存在する中斜角筋筋腹を貫通して、さらに背側に走行し棘上筋と棘下筋に分布しています。

四十・五十肩

老化などによって腕を動かす根本となっている肩甲骨の動きに制限が起きることが主な原因です。老化は内臓・血管の周囲に脂肪をつけ、骨や関節周辺の筋肉を減少させます。肩甲骨周辺も同様です。肋骨周辺についた脂肪によって肋骨が広がり、肩甲骨との間を狭くします。これにより、滑り(動き)を悪くします。思い通りに動かそうとしたとき、痛みを生ずることになります。

疾患の概念が明確でなく、俗称として50肩や凍結肩と呼ばれる有痛性の肩関節可動域制限です。肩関節周囲炎の炎症部位は患者によってさまざまで障害部位の判定が困難なことが多い。そのために病名を「肩関節周囲炎」とする場合が多い。

病因

退行性変化に伴う血行障害や運動による機械的刺激が基本。主に以下の部位の炎症、癒着、硬結が起こる。
① 上腕二頭筋長頭腱
② ローテーターカフ
③ 肩峰下滑液包炎
④ ローテーターインターバル(棘上筋と肩甲下筋の間の筋肉がない部分)

症状

① 有痛性の絞扼が主体
② 運動時痛以外に安静時痛、夜間痛がある。
③ 頸部や上司に放散痛が出ることあり
④ 回旋動作を強く制限。
⑤ 症状が長い

疫学的特徴

①急性初期
疼痛は激しくなく、関節の違和感などで、数週間から数か月かけて徐々に悪くなる。(この時期の言葉遣いとして治療後はいいが、すぐ違和感が出る場合、前もって五十肩のこと説明しておくといい。)

②急性中期(2~9か月続く)
持続性の痛み、筋スパズム、強い運動制限。
特徴として、夜間痛、患側を下にして寝れない。精神的に不安定。
(ここが我慢の時間でこの後必ず痛みが和らぐといい続ける)

③凍結期(4~12か月)
関節ROM制限増える。急な動きで激痛。安静時は無痛、運動時痛あり。とにかく動作時痛が起こる。

④解凍期
関節運動可能に、可動域増加、疼痛不快感減少。

治療

① 腕神経叢を働きやすくする
② 肩甲下筋、広背筋、大円筋、前鋸筋へのアプローチ
③ 肩関節を正常位に
④ 上肢を上腕を外旋、前腕を回内位にする。
⑤ 背骨の調整
⑥ ローテーターカフ筋の改善
肩の痛み…基本的に外旋という動作が出来ない。

夜間痛は1~3時頃が多く、一日の中で一番血流が悪くなる時間帯であることから炎症というより酸欠による痛みと考える。
大事なことは痛みが取れること、次は可動域を増やすこと、そして固まりを取ること。