よくあるご質問

基本的な質問は省略させていただきます。当院は痛みや不可解な症状でお悩みの方の相談および治療に力を入れている院です。ご理解よろしくお願いします。

ものすごく難しくわけわかんないと思われる方もいるでしょうが、西洋医に負けないくらい私は医学のことも痛みのメカニズムも、人間関係も勉強しています。以下に書いてあることを当然知ったうえで、患者さんにはわかりやすく説明させていただき、治療に当たらせていただきます。

どうぞご心配なくです。

そのためには患者さん自身も勉強が必要を考えています。わたしと一緒に勉強しましょう。

「痛い!」「うずく」――人は何らかの方法で、これを除去すべく行動を起こすことになります。まずは自らの手で擦ったり、撫でたり、軽く叩いたり……これが手当ての原点です。実は皮膚の下に溜まった「痛みを起こす物質」を流そうという無意識の行動です。痛みは、交感神経の緊張を呼び、運動神経を興奮させ、血管の収縮や筋肉の緊張を引き起こします。その結果、血行が悪くなり、「痛みを起こす物質」の発生につながるのですから、この”原因物質”が早めに流れてくれれば良いわけです。
「手技+アルファ」のさらなる精度アップは”痛みの除去”の範囲を、さらにさらに広げることになるでしょう。そのためには、痛みのメカニズムを追求し、人の動作パターンの法則を再認識し、真皮、筋膜、関節包の役割、相関関係を改めて見つめることが大切だと思います。

1.痛み、シビレ、麻痺の「違いと誤解」

痛みとは、損傷部位と脳との電気信号のやり取りの結果としての自覚症状です。何かにぶつかったり、転んで衝撃によって擦過傷を追う、ナイフ、包丁で作業中に切り傷を負う……その瞬間、「アッ」という間があり、少しの時間の経過の後、「ウッ」という痛みを感じます。これは誰しも経験済みかと思います。
 ではシビレはどうでしょう? 医師を含め、私たちはシビレと麻痺を同じ分野、感覚として扱っていないでしょうか? シビレは「ジンジンする」「サワサワする」など、その表現については様々なものがありますが、痛みと同様で、本人にしか分からない自覚症状です。そしてこれはしばらくすると、あるいは手技などによって元の状態に戻るでしょう。
 しかし、麻痺はいかがなものでしょう? 「動かない」、患部が「痩せる」「委縮する」……脳に何かのトラブルが起き、その後遺症による麻痺は深刻な場合もあります。度合いにもよるでしょうが、ともかく、ある種のリハビリが必要となるはずです。そしてこれがうまく進んでも、完全に元の状態に戻るのは、保障の限りではありません。
 要するに、a.痛み、b.シビレ は同じカッコで括れても、c.麻痺 は別次元にあることを再認識すべきなのです。

a.痛み b.シビレ c.麻痺
神経が切れていない 神経が切れていない 神経が切れている
自覚症状 自覚症状 他覚的所見
神経症状ではない 神経症状ではない 神経症状である
可逆性 可逆性 不可逆性
治療の対象内 専門医療の範疇

2.マヒ(麻痺)の種類

マヒ(麻痺)とは中枢神経あるいは末梢神経が何かのトラブルに見舞われ、身体機能の一部がダメージを追って機能不全に陥ることです。
・不完全マヒ(麻痺)=手足に力が入らない。感覚が鈍い。
・完全マヒ(麻痺)=本人の意思とは別に手足が全く機能しない。
 運動神経に障害が起きれば「運動マヒ(麻痺)」、感覚神経の場合は「感覚マヒ(麻痺)・近くマヒ(麻痺)」といった診断になります。また、中枢神経に問題が起きれば「中枢性マヒ(麻痺)」、末梢神経では「末梢性マヒ(麻痺)」となります。

3.痛みについて

 痛みは放っておくとさらに痛みが強くなる……痛みが痛みを呼んでくる、連れてくる、という表現があります。これは一体どういうことなのでしょうか? このメカニズムについても痛みの権威である、日本ペインクリニック学会の解説で勉強してみましょう。

(日本ペインクリニック学会HPより)
 痛みの悪循環は、外傷や疾病などによる痛みが契機となって生じます。痛みの入力により交感神経が興奮すると、血管の収縮に伴う虚血痛や筋肉の攣縮痛、さらには血管から分泌される物質による炎症性疼痛が生じます。虚血状態は組織の酸素欠乏状態をもたらし、発痛物質や痛みに関連した代謝産物を蓄積させ痛みを増幅させます。また、交感神経の興奮自体が知覚神経の過敏化をもたらします。これらの現象により、契機となった痛みより、程度や範囲の点でさらに強い痛みとなり、性質も変化します。こうした機序により生じる疼痛疾患としては、遷延性の術後痛や複合性局所疼痛症候群(CRPS: Complex regional pain syndrome)などが挙げられます。これらの痛みの悪循環は早期に、かつ強力に断ち切るのが重要になります。実際の手段としては。神経ブロックや鎮痛薬・鎮痛補助薬の投与、その他の鎮痛手段や手術療法などが用いられます

 神経系における痛みの増幅機構については、末梢神経と中枢神経における増幅機構が考えられています。痛みの主因である局所の炎症では、発痛物質や発痛増強物質などによって末梢神経から中枢に痛みが伝えられますが、その時末梢神経を過敏な状態にさせることが知られています。また、末梢神経は痛み信号を中枢側に伝えますが、末梢側では軸策反射により神経末端からの疼痛関連物質を放出させます。そのことにより、痛みの閾値の低下が生じて通常では痛みを感じない刺激(軽い接触や比較的低温での熱刺激など)で痛みを感じるようになります。また、中枢神経系においては痛みが入力される脊髄後角細胞における反応性の増強が重要です。脊髄後角細胞において痛みの入力が頻回に生じると反応性が高まることが知られています。また、より中枢においては、高次機能や情動に関する脳に痛みが修飾されることが知られており、痛みの増幅と関連している場合があります。これらの痛みに関する神経系の増幅機構は、臨床の場面において、軽く触っただけでも痛みが生じる現象(アロディニア:異痛症)や知覚低下~脱失部位における痛み(求心路遮断痛)として観察されます。疾患としては帯状疱疹後神経痛や脳梗塞後の痛み、脊髄損傷後の痛みなどでみられます。このような状態になりますと、通常の鎮痛薬や神経ブロックでは痛みの改善は望みにくく、中枢神経系に働く薬物(抗うつ薬、抗けいれん薬など)の投与が必要とされます。

 痛みの悪循環や神経系における痛みの増幅機構は難治性疼痛や慢性疼痛の原因として重要な概念です。これらのことを十分理解して適切な痛みの治療をできるだけ早期に行うことが、痛みが痛みを呼んで来させないようにするために重要です。

4.痛みの悪循環

 外傷や疾病などによる侵害(痛み)刺激が入力されると体性神経反応としての筋緊張の亢進、自律神経系の直接反応である血管の収縮、副腎髄質から分泌されるカテコルアミンの作用による血管収縮などの反応は二次的に局所の乏血を引き起こして組織の酸素欠乏を生じさせます。さらにこの酸素欠乏などが発痛物質の生成を促進して痛みを引き起こす結果となります。これが痛みの悪循環です。

 この痛みの悪循環の中で、緊張が亢進した骨格筋への伸張tension
刺激により発現する痛みは運動痛であり、筋筋膜性疼痛です。

5.痛みセンサーと膠原線維(コラーゲン)

コラーゲン(Collagen)は、真皮、靭帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質のひとつで、多細胞動物の細胞外基質の主成分です。体内に存在しているコラーゲンの総量は、人では全タンパク質のほぼ30%を占めるほど多いものです。
 線維性コラーゲン分子が少しずつずれてたくさん集まり、線維を作ったものをコラーゲン繊維(線維)と呼びます。例えば骨や軟骨の中のコラーゲンは、このコラーゲン繊維(線維)をつくっていて、骨基質、軟骨基質にびっしりと詰まっています。
 1952年保田岩夫先生が「骨が歪むと電気が起こる」という圧電現象を発見し、その後「コラーゲンが歪んで電気が起こる」ということがわかりました。コラーゲンで生じる電気的変化には、神経終末まで呼び寄せて発生的に「コラーゲンを主成分とする組織と神経系には密接な特別な関係ができた」と考えられています。
 筋膜が硬縮すると関節の筋による活動が阻害されるとともに、血液などの体液循環の低下に伴って分布する神経終末の閾値(痛みを感じる)が下がり、ほんのわずかな筋膜などへの張力の変化で痛みが起きやすくなります。
多くのオステオパシー的な手技療法は痛みが生じた姿位に戻し、その姿位で生じる張力によって痛みが起こった組織の状態を整えることにより、感覚の誤作動を解消させています。
外傷、炎症のない痛みに対して、その周辺部のコラーゲンに他動的、意図的に接続的な張力を与え、その状態を整えることにより解消させることが可能です。

6.人体体壁の組織別感受性

みなさんが思う筋肉や骨には痛みセンサーがありません。 
赤字もしくは(+)は痛みセンサーがあるということです。

① 皮膚(表皮/真皮)⇒感受性が強い(+)
② 皮下組織⇒あまり痛くない(-)
③ 筋膜⇒非常に感受性が強い……重苦しい痛み。痛いけど気持ち良い(+)
④ 筋組織⇒あまり痛くない(-)
⑤ 腱⇒疼痛の感受性はかなり強い(+)
⑥ 靭帯⇒感受性はかなり強い(+)
⑦ 骨膜⇒感受性はかなり強い(+)
⑧ 骨組織⇒痛みが無い(-)
⑨ 関節包・骨膜⇒感受性は強い(+)
⑩ 血管⇒一般に鈍痛を感受する(+)
⑪ 脊髄硬膜⇒痛みが無い(-)
⑫ 軟骨組織⇒椎間板、半月板など⇒痛みが無い(-)
※参考文献『今日の診断視診・第3版』(医学書院 1995.11)

7.痛みのメカニズム

 2001年アメリカ国議会は、向こう10年間を「痛みの10年」とする宣言を採択し、「痛み」が人類にとって、重く、切実な問題と考え国を挙げて研究することになりました。
 基本的に痛みには「二面性」があり、痛いと感じる「感覚」としての一面と、「嬉しい、悲しい、苦しい」などのような「情動=心の動き」という一面があります。
 生理学でいう「痛みの正体」とは、一言でいうと患部の損傷を受けて脳に伝えられる「警告のための電気信号」で、脳は受けた信号を読み解いて「いたっ」と感じるのです。別名「痛み信号」と言い換えられます。
 痛みには「早い痛みと遅い痛み」という分け方もあり、一つはピンで刺されたときに感じる痛みと、もう一つは、痛みが去った後に、ジクジクといつまでも続く痛みで、早い痛みは特急電車、遅い痛みは各駅停車でその中には「急性痛と慢性痛」があります。

8.遅い痛みのメカニズム

こうした遅い痛みの犯人は「発痛物質」という痛みの元で、「ブラジキニン、プロスタグランジン、セロトニン、ATP」などがあります。
 患部が連続して大きな刺激を受けると、脳はそれを受けて交感神経を緊張させます。それによって血管が縮み、その結果、当然血流が悪くなり、筋肉細胞が酸欠状態になります。この酸欠という危機状態に反応して、血液中の血漿からブラジキニンが出てきます。
 このブラジキニンが、知覚神経(C繊維)の先端についている「ポリモダール侵害受容器」に探知すると、そこで痛みの電気信号が発生し、プラスとマイナスの状態を次々に繰り返しながら、脳に伝わっていきます。ポリモダール受容器は痛みセンサーと言い換えられます。
 「痛みというのは通常、神経繊維の先端についている痛みセンサーだけがキャッチします。痛みセンサーが電気信号を脳に伝えて初めて、痛みが感知されます。神経の途中で痛みが発生したり、関知されることはありません。」
 要は、「痛みは、患部と脳の電気信号のやりとりです。」
 ところで、何の外的な刺激がなくても、感じる痛みというものが存在します。交感神経や運動神経が緊張し、血管が収縮します。それが習慣化すると、自分でも気付かないようなささいなことに対しても、条件反射的に交感神経の緊張と血管の収縮が起きるようになります。
 こんな時に、具合が悪いことに副腎も同時に刺激され、これにより血管収縮が引き起こされます。血管が収縮すると、「局所乏血」を起こし、細胞組織の酸素が欠乏状態になります。こうなればどうなるかは想像できますよね。
  この時、脳は痛み信号を受けて、ただ感じるだけでなく、脳自身が勝手に命令して血管の収縮を引き起こします。血管収縮と筋のスパズムの結果、また乏血になり、さらなる発痛物質の生成につながります。これが痛みの悪循環です。
しかし、私たちが考えなくてはならないのは急性痛、慢性痛は単に痛みの続いている期間の問題ではないということです。末梢性感作、中枢性感作が起きているかどうかなのです。
リウマチはどれだけその痛みが長くても炎症性疾患ですから、急性痛が繰り返して起きているのです。だからNSAID(非ス性消炎鎮痛剤)、ステロイドが効きます。
急性痛は損傷に対する警告です。慢性痛は損傷が治癒(創が閉鎖)した後も続いている痛みです。つまり、火が鎮火したのに鳴り止まない火災報知機です。
骨折が癒合しなかったものを仮関節といいますが、痛みがないことも多いのです。その逆に骨折が癒合したのに痛みが続いていることもあります。
損傷はほとんどの場合積極的治療は必要ありません。暫くの間安静にすることで多くの問題は解決します。骨折でも手術が必要なものはそれほど多くはありません。
急性痛の場合、痛みの治療と損傷(構造)の治療は別問題で、同時に並行して行えばいいのです。多くの場合、痛みの治療を積極的に行えばいいのです。
慢性痛の場合は痛みそのものが治療の対象となってきます。わが国の医療ではこの概念がありませんでした。それが多くの問題点を生んでいます。
痛みの疾患に対してヘルニア、脊椎管狭窄症、変形性膝関節症など意味のない病名を付けているのが現状です。しかしそれは急性痛か慢性痛なのかが問題なのです。実際の医療現場ではそれらが並存しているのが多いのです。
どの部位の急性痛で、損傷の程度はどうなのか?
どの部位の慢性痛で、今後どのような治療法で行くのか?
第一義は早く痛みを止めることです。治すべき構造があるのであれば治せばいいのですが、ほとんどの場合不必要です。このようなことは人間以外の動物界では本能的に行われています。傷つきた動物は安静にしています。
人間も素朴な時代にはそうしていました。湯治、指圧、マッサージ、鍼など伝統的な治療法です。ところが現在はそれを間違え、構造破綻こそが痛みの原因だと信じて、無理に筋力を付けようとして失敗しています。傷んだ筋肉を無理に使って深みにはまっているのです。
ヘルニアを取ったところで何の意味もありません。
脊柱管が狭くても痛みの原因になることはありません。痛みのメカニズムをしっかり理解しないとこれからは正しい治療ができません。

人間を知る

A.人の動作パターンを知る
1.二足歩行の秘密

「歪みを取る」「痛みを取る」に当たっては、日常の異常のない時の動作パターンを知っておく必要があります。しかし、「他人の日常なんて、どうやって観察するの?」との疑問も起きます。それは当然ですが、この地球上において、常に二足歩行で生活しているのは人だけです。類似的な骨格を持つ猿類も手足を持っていて、ときおり、二足歩行も見せます。それは二本の手が何かの用事でふさがっている時が多いはずで、日常的となるなら、両手は歩行・移動のためのバランスを取るツールとして使われているのです。
このことから、人が完全に二足歩行に変わった原因は、家族や、仲間のために意図的に食料を運んだり、火を起こしたり、”動いている食料”を捕獲するために、早く移動し、両手はその捕獲のために使う……このような繰り返しによって、完全なる二足歩行が確立された、との説があります。
両脚は体を支え、臨機応変に自在に移動する機能を持っています。人の脚は他の動物に比べてプロポーション的に大きく、上体を支えている時点では、”右脚は膝が屈曲気味””左脚は膝が伸展気味”で”左脚は太く、右脚は細い”特性を持っています。

2.動作の法則

①左回りが正解
 スポーツの祭典、最高レベルの舞台は言うまでもなく、オリンピックです。ここにおいて「動作の法則」は実証されることになったのです。近代オリンピックは、ピエール・ド・クーベルタン男爵の提唱によって1896年、その発祥のアテネで開催されたわけですが、その第一回のトラック種目は右回りで行われました。これは19世紀後半に陸上競技を開始したイギリスのルールをそのまま採用したからだったそうですが、右回りで行われたトラック競技の残したものは、脚がもつれて転倒、負傷するものが続出したそうです。
 この結果、第二回大会(パリ、1900年)より、左回りに変更されたのです。そして大会はさしたるけが人も出さずに無事終わったので、左回りトラックは”公認”、1913年の国際陸上競技連盟(IAAF……International Association of Athletics Federations)が創設されると、「Left-hand inside」が成文化されたのです。

②人体のシステム
JOC(日本オリンピック委員会)の資料に、東京工業大学名誉教授・故平澤一郎先生の「左足は軸足、右足は運動足」との説が記載されています。左回りがなぜ自然なのか……をズバリ言い得ているものです。
左腰が短縮すると、骨盤の高さは左が上がって高く、右は下がって低くなります。すると、左右の股関節と地面との間に距離の長短が生じて、基本的に左脚は膝が伸び、右脚は膝が屈折した状態になるのです。これは大半の人が、平澤先生の「右足支え足、右足は運動足」を実践し、上体の支え方においては、「左脚は”受け脚”、右脚は”突き脚”」と言うことができます。
 人は懸命に歩行・走行すると、前方に目標があれば、真っ直ぐに進むことができますが、それが無ければ左へ左へと回り込むようになります。骨盤が低く、膝が屈曲気味となり、”突き脚”の右脚は長く伸びて地面を押します。スピードスケートのコーナリングのシーンを思い浮かべれば、納得のはずです。 


B.身体の歪みのパターン
右手を使うことにより胸椎の右側弯が生まれる

人間はLateralization(一側優位性)の中で日常生活を送っています。つまり「利き手」「利き足」「利き目」「利き耳」など、その人が用いやすい、使いやすい側の運動器や感覚器を無意識に多く用いて日常生活を過ごしているのです。
一般的に言われるところによると、日本人の約94.5%は右利きであるという調査結果もあり、それに従って当然社会のハードシステムは右利き用に造れています。包丁やハサミなどの家庭用品から電車の自動改札口に至るまで、利き手である右手が不便なく効率的に使用できるように社会は構築されているのです。それに対し左側は体重を支える等の身体の軸となる役目を担っています。こうして人間の行動の中で左が軸、右が使用する側と役目分担があるため、自ずと身体の歪みのパターンが決まってきます。中には「では左利きの人はどうなるの?」と考える方もいるでしょうが、社会のハードシステム自体が右利き用に造られているため、歪みのパターンに大きな変化はありません。
具体的な例を挙げて考えてみましょう。例えば椅子に座ってパソコン作業をしている人のことを想像してみてください。パソコンのマウスを右手に持ちクリック等の作業をスムーズに行うために、右上肢は解放され自由な動きやすい姿勢、環境を作っています。その反対にその人の体重は左殿部に乗り、躯体は左側に傾きます。さらにその頭部の重みを支えるために、左肘を机の上に置き顎を左の掌に乗せます。さてその結果どのような歪みが生じるでしょう?
背部から見ると右側の肩甲骨は前・測方に移動し、脊柱は大きく左側に傾きます。また左手で顎を支えるため、頭は若干右側に倒れます。つまり、脊柱は胸椎部で大きく右凸の状態になり、頚部は左凸になります。そして、そのバランスを補うかのように腰仙部は左凸の状態になってしまうのです。
背部から見て
・右肩甲骨前方移動
・頚部左側弯
・胸部右側弯
・腰仙部左側弯
・右腸骨後下方変位(PI)
・左腸骨前上方変位(AS)
といった6つの歪みのパターンが生ずるのです。

GAPパターン

人間の身体は明らかに左右差があります。でもほとんどのカイロや整体の先生は左右対称に体を診て、診断、治療しています。大事なことは本当に左右差があって当然ですというところから治療することではないでしょうか?

1. 人間の手
 人間の手は左が大きくて長い。試しに左右の中指の横紋を正しく合わせて比べてみてください。左が長い人が多いことに気づくはずです。太さも左が太い。腕を伸ばして比べてみると左が明らかに長い。
2. 人間の足
 立っているときでも、歩いているときでも、右足は左足より身体の重心下に近く踏んでいる。実測の場合、左足が長くて太い。しかし身体の歪みから左足は真っ直ぐ伸び、右足は膝が曲がり外旋しているためO脚気味の人が多い。
3. 立位
 立っているだけでは足が故障しているかどうか分かりませんが、歩けばすぐ分かります。そこで正しい歩行に注目してみたい。
4. 歩行
 骨盤の動きを後ろから観察してみると、左に6分、右に4分の回旋が行われています。分かりやすく言うと、「右足荷重の左前歩行」です。
 身体が調子悪い人は左荷重で骨盤は左回旋しています。よい状態を作るにはできるだけ右回旋する状態を作りましょう。

C.最も重要なのは「治ること」

 現代医療の最大の弱点は、あまりにもエビデンス(科学的根拠)にとらわれ過ぎていることです。生命力というエネルギーが素直に生き生きと流れるような環境を作ることこそ、医学本来の役割です
 小さな細胞の中にある遺伝子という微細な巻物には、私たちの身体のすべての情報が記録されています。この遺伝子には身体の設計図だけでなく、身体が故障したときに修復をするアフターケアの仕組みまで記録されています。その仕組みこそ私たちが自然治癒力と言っているものです。
 健康とはそうした知恵のパワーが存分に発揮されている状態であり、カイロではこの知恵を「イネイトインテリジェンス」(先天性の体内エネルギー)と呼んでいます。生命エネルギーは宇宙からも大地からも入ってきます。植物たちは天と地からエネルギーをもらって枝を伸ばし、葉を開いて、花を咲かせます。このエネルギーを「ユニバーサル・インテリジェンス」(宇宙の叡智)と呼びます。生命エネルギーは脳の松果体という部分から入り、光の影響を受けて人間の体内時計と関係するメラトニンというホルモンを分泌します。
 「神経のつまりを取る」とは、そうした生命エネルギーの通り道をきれいにすることであり、その結果として遺伝子の発現(遺伝子の情報が形になって現れること)もよい方向に向かいます。神経の適応とは弯曲があっても骨盤の中心に頭の中心が乗って、頭と骨盤の中心が垂直になっている状態のことで、それは神経の流れが身体に適応している状態です。

D.アジャストは脳の再教育

 アジャストメントを行うことで神経のつまりが一次的に解消し、神経の流れがスムーズに流れるようになります。この神経の流れがスムーズな状態こそが本来必要な状態で、脳にその状態を学習させれば、あとは脳が自然にその方向に身体を調整していき、神経の流れがスムーズになります。アジャストメントはいわば脳の再教育なのです。


実際に3DCTで撮った側弯性の女性(18歳)